(カワイモデル他、1950年代）
2009年8月11日更新
O1b模型を巡る疑問
以前にInternational Modelが販売したカワイモデル製のO1bを紹介しました。以前の記事はこちら。
その際に模型とカワイのカタログ写真に相違点があり、本当に同一品としてよいのか疑問を持っていました。その後、その疑問を解明すべくO1bの模型を集めてきましたので、再度この模型について考察してみることにしました。
手元にある５輌のO1b、よく見ると全て仕様が違う
以前に紹介した模型をカワイ製とした根拠は、元箱に同封されていたこの図面からです。
発行元が川合模型研究所と記載されています。
（クリックすると拡大します。）
発行は昭和24年4月
形式は、O1-b
この機関車は左右非対称で図面は窓が少ないほうの側面
しかし、模型をよく観察すると、この図面とは以下の点で一致していないことが分かります。
屋上のベンチレターの形状の違い
左右の側面が同じデザインで対象になっている。
この機関車は、International Modelの元箱に入っていたのですが、よく見ると箱のラベルの左上に「O1-A
LOCO KIT」の表示がありました。
つまりこの機関車はO1bではなくO1aであるということになります。
これまでO1bと思っていた模型がO1aであったということで、もう一度製品広告を調べてみました。
モデルレイルローダー1949年6月号のInternational Modelの広告
フリーランス４−４−４と紹介されていますが、Ｏ１ｂと思われる機関車です。
しかも上記の川合模型研究所の図面に良く似ています。
しかし、側面の細長い通風孔は１箇所だけでカワイ製とは合致しません。
また、なぜＯ１ｂと表示していないのか、が疑問です。
モデルレイルローダー1949年11月号のInternarional Modelの広告
ここではＰＲＲの電気機関車として紹介されていますが、Ｏ１ｂの表記はありません。
川合模型研究所の図面との相違点は
屋上のベンチレーター
デッキ上に手すりがないこと
側面が窓側の図面であること
さらに、モデルレイルローダーの1950年11月号の広告（６０’ｓコラムで紹介済み）には、この製品を「O1-A」と表示しています。以前に私がカワイ製として紹介したのはこの模型かもしれません。
Internarional Modelは、1950年前後にはカワイ、鉄道模型社、カツミなどの製品を取り扱っていたので、同じ時期に、カワイのＯ１ｂと他社のＯ１ａを扱っていたとしても不思議ではありません。
鉄道模型趣味の広告
こちらは写真や図が入っていないので、あくまで発売時期の推定だけになります。
１９４９年２月号 鉄道模型社
Ｏ１Bキット発売の広告
広告に登場したのは１度だけで、実際に発売されたのかは不明
１９４９年６月号 ニューワン模型製作所
ペンシルバニアＯ１−ｂ電機
その後、毎月広告に登場し、１０月号にはキットの記載も
１９４９年１２月号でニューワン自体の広告が消え、数年後に復活した際には記載なし。
１９５１年１０月号 カワイモデル
ペンシルバニア鉄道電気機関車の写真入り広告
１２月号では、ペンシルバニア鉄道Ｏ−１ｂ電機と表示
ブラスモデルの解説書から
LENAHAN'S LOCOMOTIVE LEXICON
O-1 International Model
１９４９年〜６２年 キット
１９５９年、６０年 塗装済み完成品（写真も掲載、後述）
THE BROWN BOOK
O-1b International Model
１９５９年 塗装済み完成品
O-1a International Model
１９５０年 キット
O-1a PFM-United
１９５４年