Pennsylvania鉄道　O-1b電気機関車

カワイモデル、1959年製

2002年9月10日更新

実物について
　アメリカを代表するペンシルベニア鉄道のO-1シリーズは1930年から31年にかけて合計8輌が製造されました。この機関車は2輌ずつペアになっていて、
　7850-51　 O-1
　7852-53 　O-1a
　7854-55 　O-1b
　7856-57 　O-1c
と呼ばれていました。
しかしながらこの4-4-4という軸配置は空転しやすく現場から嫌われ1940年代には早くも6輌が廃車になってしまいました。
かろうじて生き残った7853と7857は1960年代初めまで入換用として使用されました。

模型について
　カワイの製品というと独特のディフォルメ設計が特徴ですが、この機関車も実物写真と比べると大幅なディフォルメと簡略化がなされているのがわかります。
　トイトレインとスケールモデルの中間のような製品です。
実物はペンシルベニア鉄道の電気機関車の中ではそれほど有名機ではありませんでした。
しかし、模型的には小スペースでの運転に適した手ごろなサイズでTMS誌上にも製作記が紹介されていました。


カワイのカタログです。
（クリックすると拡大します。）
カタログの写真と見比べると、私の模型のエアータンクは後から交換されたようです。

屋上機器もあっさりと簡略化され、パイプを取って付けたようなヘッドライトが豪快な感じです。
実物と比較して全体に丸みを帯びたデザインになっています。

この模型の特徴は外観のデザインだけではありません。
動力の連動にスパイラルギヤを使用していることです。
これは最近のMPギヤと同じ構造で、一般的なスパーギヤやウォームギヤを使用していないのが不思議な点です。
このギヤ方式はシェイ式蒸気機関車などに使われていましたが、通常の電気機関車では珍しいことです。

この製品は「Internarional Model, Inc.」によってアメリカで販売されました。
この箱はアメリカ向けの箱です。
また、この当時のカワイ製品には製品の原寸の青焼図面が同封されていました。
本来は塗装済み完成品で売られていたのできちんと塗装してレストアすべきですが、真鍮地肌のアンティーク風の風合いに惹かれてそのまま保管しています。

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